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薔薇十字団に愛を注ぎ込むブログです。
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★第2話。

益田が左利きだというのは林檎の勝手な萌え設定です^^;
これ書いてる時に脳内で「寝てる間に襲われる受」ブームが来ておりました(笑)。
益田は一定のリミッターが振り切れると淫乱気味になると良いなぁ・・・なんて。
それを榎は言葉責めや羞恥プレイでネチネチ苛めれば良いのに、と云うロマン^^;

 











「えッ?!やッ!あぁぁッ!!」

薄っぺらな腰を掴んで思いきり引き寄せた途端、下僕はまるで尻に火のついた兎のように
勢いよく飛び起きた。しかし寝ぼけた頭では自分が現時点で置かれている状況が
上手く飲み込めないらしく、目をパチパチさせて僕の顔を凝視している。

「おはよう、マスヤマ」

僕がニコリと笑って(僕は、未だかつて下僕に向けて微笑みかけた事などない)そう言うと、
益々もって下僕は疑問符を顔に貼り付けたまま、

「お、おはようございます…」

と間抜けな声を出した。こいつ、まだ自分の置かれた立場を分かってないな。

「あ、あのう、榎木津さん…」

「お前、主人より先に寝て主人より後に起きるなんて
 下僕としての心得がなってないぞ。次から改めなさい」

僕がそう説いてやるも、下僕は互いの下肢が完全に繋がっている事を自覚し、
信じられないと言わんばかりにわなわなと唇を震わせ

「あのッ!ちょ、なんで…!ねぇ、榎木津さんッ?!なんでこんな、」

慌てて身を引こうとするものの、既に根元まで収められている為に
離れる事は叶わず、お手上げ状態で僕の顔を見上げている。

「どうだ、なかなか良いお目覚めだろう?」
「なッ、なんで、なんで…あぁッ!!」

問い掛けを無視して腰を動かすと、下僕は泣きそうな声で「なんで」と繰り返した。

「なんでこんな事をなさるんですか」と「なんで自分がこんな目に」と言う2つの疑問で
頭の中を一杯にしながらも、寝起きの身体では禄な抵抗も出来ずに僕にされるがままに
なっている。まぁ起きている時とて、貧弱なこいつが僕に勝てた例など無いのだけれど。

「ふふ、お前は大人しく寝てただけなのになぁ。まさか自分が寝てる間に
 こんな風になってるなんて思わなかっただろう。驚いたか」

まさか寝て起きたら自分が犯されているなんて、普通なら考えられないだろう。
下僕は非力なりに必死に脱出を試みるも、下手に身を捩ればそれによって
自らの内部が刺激されてしまい、身動きが取れない状況に陥っている。

「あっ、やだ、榎木津さん…ッ」
「嫌?こんなにしておいて何が嫌だ。寝ている間だって自分から腰を振っていた癖に」

そう言ってピンと先端を弾いてやると、その刺激だけで堪らないと云うように下僕は
ふるふるとかぶりを振った。寝起きで身体中がどこもかしこも敏感になっているのだろう。

「はは、随分と気持ち良さそうじゃないか。主人にここまで奉仕されるなんて光栄だろう」
「や、んふ、ぁん、あっ…」
「…ふふ、悦いんだろう。幸せかい?」
「ふあぁッ!やっ、待って…!」

手加減などせずガクガクと大きく揺すってやれば、漸く覚醒して事態を完全に
把握したらしい下僕が細い悲鳴を上げ、その腕を泳がせて逃げ場を求める。
そして手近にある枕を掴むと、きつく握り締めて波に飲まれまいと縋り付いた。

元より僕は、こいつに閨の最中に飛びついたり肌に爪を立てたりせぬように日頃から
躾てあるから、どんなに追い詰めたとしてもこいつは、僕の背中を引っ掻いたりするような
無粋な真似はしなかった。

僕はそれに少しだけ気を良くして、先程の行為の最中には散々焦らして
結局与えなかった口唇へのキスをゆっくりと落としてやる。


「あ…榎木津さん…」
角度を変えて柔らかく口唇を吸ってやると、途端に下僕の身体から力が抜ける。

「ご褒美だ。嬉しいか」
「はい…」
「そうか、宜しい」

素直に認めたので手短に褒めてやる。躾の基本は飴と鞭だ。

「え、榎木津さん、あの…」

下僕は僕の顔色を伺うようにおずおずと問い掛ける。

「うん?なんだ、マスヤマ」
「なんで、なんで急にこんな事になってるんですか…」

ひくっ、と喉を震わせて必死に訴える。僕が顔色も変えぬまま

「“こんな事”って?」

と聞き返してやると、「それは…」と途端に口籠もってしまう。
こいつは未だに素面の状態でその手の言葉を口に出す事が出来ない。

まぁ僕は平素から明け透けな奴よりはギリギリまで理性を保って慎ましいのを
好む質なので、ここで擦れっ枯らしのような態度を取られるよりはよっぽど良いのだが。
そんな下僕の態度に僕は口元に笑みさえ浮かべ、

「僕が目を覚ましたと云うのにお前はまだ呑気な顔で眠りこけているし、まだ夜明けまで
 時間もある。なら普通に起こしたってつまらないじゃないか。どうだ、さぞ驚いたろう」

そう問い掛けてやると、下僕はしどろもどろになりながら

「そ、そりゃあビックリするに決まってるじゃないですか…僕ぁてっきり目が覚めても
 まだ夢の中かと思いましたよ。と云うより、未だに信じられない位で…」

そう言って己と僕の結合部にちらりと視線を移し、そして次の瞬間ボッと
茹で上がったように耳まで朱くなった。呑気に会話をしていたせいで、
自分が今まさにとんでもない状況下に置かれている事を暫し忘れていたらしい。

「立派な現実だ。嬉しいか」
「いや、その、嬉しいと云うか…」
「うだうだ言うな。しっかり感じてる癖に」

腹に付かんばかりに反り返った下僕自身を見つめ僕がぴしゃりと断罪すると、
こいつは口の中でごにょごにょと言い訳の言葉を探す。

「だって、それは…」
「しかし、お前も大概図々しいやつだなぁ。普通はここまでされる前に起きるものだろう」

僕が呆れたように言ってやると下僕は慌てて弁明した。

「だ、だって…!普通に寝てた訳じゃないですもん…」

僕はそんな下僕の言い訳など意に介さず

「お前、この頃達ってから気を失うのが癖になってるぞ。
 後始末をさせられるこっちの身にもなれ」

そう一言忠告してやる。

「後始末って…だって、それは榎木津さんが…」
「僕がどうした」

まだ言うか、こいつ。

「…いつも、する時に何も着けて下さらないからじゃないですかぁ…」

そう言ってメソメソした声を出す下僕を見下ろして、僕はきっぱりと言い放つ。

「それがどうした。孕む訳じゃあるまいし」
「それはそうですけどぉ…」

終わってから毎回腹を壊すこっちの身にもなって下さいよぅ、と
生意気にも恨みがましい顔をする下僕に

「奥を濡らされるのも掻き出されるのも好きな癖に、何を言ってるんだか、このスキモノ」

そう一笑に付してやる。

「ちょ、榎木津さんッ!」
「うるさい。事実だろうが」

心外だとばかりに上体を起こそうとした下僕の肩を掴んで寝台に押し戻し、
僕はカエルのように足を開いたままの下僕の下肢に手を伸ばすと、その中心に
指を絡めてやった。途端に下僕の腰が跳ねる。

「ひゃうッ!榎木津さぁん…!」
「お喋りはもうお終いだ。お前は僕の目を見たまま…達きなさい」

そう言って僕は腰の動きを再開させる。

「んぅ…!やッ、あぁ…!くぅ…」

突然押し寄せる快楽の波に下僕はきつく目を閉じるが、僕はこいつにそんな甘えを
許容してやるつもりは更々無かった。僕は手の中の下僕自身をきつく握り込み、
根元を戒めて波を遮断してしまう。

「やッ…?!」

「聞こえなかったのか?僕はさっきお前に“僕の目を見たまま達け”と言ったんだ。
 それが出来ないなら達かせないよ」
「そんなぁ…」


経験上、“目を開けたまま達く”と云うのが実は至難の技である事を僕は知っていた。
絶頂は高所からの落下と感覚が非常に似ている為、脳が恐怖と錯覚するのだ。
だから人は絶頂の瞬間につい目を固く瞑ってしまう。
ましてや人一倍臆病なこいつなら尚更だろう。

いつもなら枕に顔を埋めたり腕を顔の上で交差させたりしてきつく目を閉じ、
悲鳴を上げるか歯を食いしばるかして叶精する下僕が、僕の目を見ながら絶頂を
迎えるなんて、本人にしたら身を焼くような羞恥だろう。人前で裸に剥かれるような
気分かも知れない。しかし僕はそんなもので可哀想だから止めようなんて露ほども
思わないし、こいつも拒否する素振りは見せなかった。


当然だ。そうやって躾たのは、他ならぬ僕自身なのだから。

「見ててやるから、このまま達きなさい」
「そんな…無理です…!」
「四の五の言うな。ほら、早く言われた通りにする」
「榎木津さぁん、勘弁して下さいよぅ…」

そんな甘ったれた泣き声を出せば僕が手を引くと思ったら大間違いだ、このバカオロカめ。

「お前にやる気が無いなら、これで終わりにしよう。もう抜いてしまうよ」
わざと穏やかな口調でそう宣言して、ゆっくり腰を引こうとすると
「あっ、榎木津さん…」

と、泣きそうな顔で僕を見上げてくる。“行かないで”と顔に書いてある。
僕は汗ばんで額に張り付いてしまった下僕の前髪を指で横に流してやると

「僕は“達くな”とは言ってないだろう。ただ僕の目を見て達けと言っただけだ。
 何故そんな簡単な事が出来ない?理由を言ってみろ」

詰問ではない口調で、そう質してやる。

「だって…そんな、恥ずかしくて…」
「ここには僕とお前しか居ないだろう。何を恥ずかしがる必要がある」

僕の問いに、下僕は耳まで朱に染めながらぽつりぽつりと語り出す。

「だって…だって榎木津さんは凄く綺麗だから、その榎木津さんに抱かれて、
みっともなく余裕を無くしてる自分が凄く恥ずかしいんです…。
なのに、榎木津さんはずっと余裕のままで、だから一人で乱れてる自分が余計に
恥ずかしくて、貴方に厭らしい奴だと思われてたらと思うと消えてしまいたくなるんです…。
だから、見つめ合ったままなんてそんな…」

そう蚊の鳴くような声で言ってから目を伏せてしまう下僕の言葉に、僕はひどく征服欲が
満たされて行くのを感じ、笑みを浮かべたまま下僕の額に軽く口唇を落としてやった。

「榎木津さん…?」
「ふふ。なぁ、お前は僕が好きか?」

うん?と掻き上げた前髪の隙間から吊り気味の瞳を覗き込んでやると、

「当たり前じゃないですか…」

そう言って下僕は少し拗ねたように僕の目を見据えて来た。
なんだ、やれば出来るじゃないか。
僕は濡れ羽色の下僕の髪に指を差し入れて軽く梳いてやりながら

「…だったら尚更言われた通りにしなさい。好きな相手の言う事なら聞けるだろう。
 僕が見たいと言ってるんだよ。出来るな?」
「あ…」

今度は鼻先にキスをしてやる。

「僕を喜ばせてみろ。いいね?」
「……は、い」

下僕は羞恥からか少し涙の浮かんだ瞳を、それでもしっかりと見開いて小さく頷いた。
それを見た僕も満足気に頷いてやる。

僕がどんな無理難題(あくまでも、こいつにとっての)を強いたとしても、
泣いたり恥ずかしがったり歯を食いしばったりしながらも、こいつは最終的に
僕の意に沿おうとする。僕はまだ微かに震えている下僕の腰を掴んで、注挿を開始した。



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