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薔薇十字団に愛を注ぎ込むブログです。
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★これを書いてる時は榎木津→益田な、「榎木津さんの方が益田にご執心」の
榎益が脳内ブームでした^^;益田を構いたい榎木津さんとちょっと余裕のある
益田の話・・・を書こうとするも、途中からプレイが変な方向に(←いつもの事)












まさか同性の自分と榎木津が情を交わすような間柄になるとは、箱根で彼と初めて
出逢った頃の自分が知ったら、きっと仰天して腰を抜かすに違いない。

そもそも、益田の頭の中で「榎木津と性」そのものが点と線で結び付かなかった。
もちろん榎木津とて健康な成人男子である以上、そういった欲を持っているのは
当然なのだが、なんせ榎木津は容姿も中身も全てにおいて浮き世離れしている為に、
彼の中にそのような動物的な本能がある事をどうしても想像する事が出来なかった。

そして、仮に彼のお眼鏡に叶う相手がいるとするならば、容姿端麗な榎木津の
横に並んでも見劣りしないような絶世の美女や、高貴な血筋の深窓の令嬢や、
とにかくそう云った“高嶺の華”と呼ぶに相応しい相手が選ばれるものだと
思っていたのに、現実には何も持たない自分が隣(今は足元だが)に居るのだから、
世の中何が起こるか分からない。益田にとっては榎木津自身も十分に高嶺の華である。

益田自身は庶民の生まれで容姿も十人並み。顔だって、まだ憂いのある
儚い美少年なら吊り合いも取れようが、自分程度の面相の人間なら世間には
掃いて捨てるほど居ると思っている。つまり自分はどこを取っても平凡なのだ。
そんな、その辺の雑草のような没個性な自分が、何もかも突出した
高嶺の花のような榎木津と並んでいる様は、周りの目にはどう映っているだろうか。

(美人は3日で飽きるって言うけど…榎木津さんの考えてる事ってよく分かんない)

無論これは榎木津に惹かれ、榎木津を追って上京し、思慕の念を抱くように
なっていた益田にとって、それは身に余るほど喜ばしい事ではあるのだが、
だからこそ「どうして?」と云う気持ちの方が遥かに強い。目が覚めたら
神奈川の実家の布団の上で、今までの事は全て夢だと言われたなら
思わず「ああ、やっぱり」と納得してしまいそうだ。

選ばれても選ばれなくても、悩みが尽きないのが小心者の所以である。



「…こら」

ふいに前髪を掻き上げられて上を向くと、榎木津がやや不満気な顔で
こちらを見下ろしていた。

「お前、気がそぞろ。なに考えてる?」
「いえ、別に何も…」

ふぅん?と見透かされるような目で見つめられる事に慣れない益田は慌てて下を向くと、
ファスナーを下ろして中から取り出した榎木津自身に小さく口吻けを落とすと、
そのまま躊躇いがちに自らの口内へと招き入れた。

ちゅ、と音を立てて先端を吸うと、ぴくりと脈打って徐々に大きくなるのが分かる。
榎木津に仕込まれた技で、ひたすら榎木津の悦いように。

ただそれだけを念頭に置いて無心になって舌を動かす益田を満足そうに
見下ろしながら、榎木津はおもむろに自身の履いていた革靴の片方を
足首の動きだけで器用に脱いだ。

「お前、少し上達したね。気持ちいい」
「ほんとれすか(本当ですか)?」
「こら、したまま喋るな。くすぐったいじゃないか」

クスクス笑いながら、それでも機嫌の良さそうな榎木津に益田は安堵する。
自分は生き方こそ不器用だけれど物事の飲み込みは早い方だ。
自分の施す事で榎木津が喜んでくれる事が嬉しかったので、益田は殊更
丹念に舌を動かした。根元から先端に掛けて幾度も舐め上げると、微かに
震える気配を感じる。更に何度もざらついた舌を往復させると、榎木津は
鼻に抜けるような声で「ご褒美」と言い、先ほど靴を脱いだ方の足で益田の中心を
軽く踏み付けた。途端に益田の肩がびくりと跳ねる。

「んッ…なに…」
「気にしない。続けて」

気になりますよぅ、と言い掛けるも口の中は塞がっているし榎木津に頭を軽く
押さえられているしで言葉を発する事が出来ない。灰色の靴下を履いた爪先が
ズボンのファスナー越しにするすると上下して、むず痒いような感覚に
益田は思わず榎木津の膝を強く掴んだ。

「んっ…んぅ、ふ…」
「ふふ。お前のここ、あったかくなって来た」
「はぁ…ん…」
「硬ぁくなって来たぞ。ちょっと足で触っただけなのに」

歌うように言いながら、榎木津は益田の中心を弄ぶように緩い刺激を与え続ける。
益田が榎木津を下から上に舐め上げれば同じように爪先で辿り、先端に吸い付けば
同じく先端を圧迫された。自分の舌と連動した爪先の戯れに、本来なら屈辱とも
取れる仕打ちをされているにも関わらず、益田は倒錯的な興奮を覚える。

(靴を脱いでくれただけでも優しいとか思ってる自分て…かなり重症だよな…)

くい、と踏まれたお返しに茎の部分をかぷりと甘咬みすると、榎木津の先端から
じわりと先走りが滲んだ。上目使いで顔を見やると、榎木津は己の急所に
歯を立てられた事に対して大して気にした風でもなく、そのまま続きを
促すように前髪を撫でられた。

その気になれば互いに噛み千切る事も踏み潰す事も出来るのに、ぬるま湯のような
快感に浸って上から下から見つめ合っている。互いの信頼を前提とした戯れに
目元を上気させながら、益田は自身の髪を撫でる手に指を重ね、口唇を窄めて
愛おしむように相手の滲む先走りを吸い上げた。先程から丁寧に施される愛撫に
榎木津は満足そうに微笑い、空いた方の人差し指で益田の頬をす、となぞった。

「顔、真っ赤だぞ」
「ン…らって、」
「熟した苺みたいだ。今のお前」

そのまま指先で子猫をじゃらすように喉を擽られて、
益田はいやいやをするように小さく首を振る。

「…ると」
「うん?なぁに?」
「ベルト…外させて下さい。あと、脱がせて…」
「ふふ。お前の、もう窮屈そうだものね。いいよ。但し、まだ触っちゃダメ」
「そんなぁ…も、苦しいのに…」
「僕が良いって言うまではお預け。それが出来ないなら外しちゃ駄目。いいね?」
「は…い」

益田はあくまでも従順なまま、それでも窮屈を強いられていた今の状況から
脱却出来るならと素早くベルトを外し、ファスナーを一気に下ろした。
下着を脱ぐ際にウエストのゴムに引っ掛かった自身が勢いを付けて飛び出した事に
赤面しつつも、布による締め付けが無くなった事で幾分か楽になった事に
ほっと安堵の息を吐いた。

「あは、凄いなぁ。もうそんなに濡らして」
「やっ…恥ずかしいですよう…」
「靴下、脱がせて。濡れたら気持ち悪いから」

言われるがまま榎木津の靴下を丁寧に脱がせてやると、静脈の透けた人形のような
白い足が現れて、益田は思わず爪先に口吻けしたい衝動に駆られた。

榎木津は長く形の良い親指と人差し指を目一杯広げ、外気に晒された益田の中心を
器用に挟むと、ゆるゆると上下に擦り上げた。それは靴下を脱がせた時点で
ある程度は予測していた行為ではあったが、手でされるのとは全く違う
もどかしい刺激に益田は熱い息を吐いて榎木津の膝に縋り付く。

「お前、随分興奮してるね。こんなの、大して気持ち良くないだろうに」
「はぁっ…あっ…」
「屈辱かい?」
「ンん…っ!」

益田がぶんぶんと首を大きく横に振ると、榎木津は少し呆れたように口唇の端を上げた。

「…お前は、僕に何をされても怒らないんだな。僕のする事なら何でも受け入れてしまう」
「そんな事、」

ありませんと言い掛けて、益田はすぐに脳内で前言撤回した。確かに自分は
榎木津が仕掛ける行為を拒んだ事が殆ど無い。益田は大抵、榎木津に
何をされても困ったり戸惑ったりしつつも最終的には全て受け入れてしまう。
しかし、それは何も益田に自分の意志が無い訳でもなければ、榎木津が自分より
年上で雇用主で、逆らったら怖いから歯向かえない訳でもない。

(だってそれは、榎木津さんが)

それは榎木津が、本当の意味で益田を傷付けるような事をしないからだ。

仮に益田が榎木津のした事で困ったり振り回されたりしたとしても、それはあくまで
揶揄いやお遊びの延長線上であり、榎木津は絶対的な力の差を自覚しているからこそ、
常にギリギリの所で相手に立てた爪を緩めて牙を抜いた。

それは寝台の上で睦み合う時も同様で、益田を意図的かつ一方的に痛め付けたり
屈辱を与えたりするような事を、榎木津は一切行わなかった。仮に益田が
榎木津に泣かされる事があったとしても、あくまでもそれは2人の戯れと駆け引きの
一環であって、益田が最終的にそこに何らかの悦びを覚える事で全てが成り立っていた。

益田は榎木津を受け入れ、従う事を選んだ。
受け止め、意図を咀嚼し、明け渡す事を良しとした。

他人の目からは傲慢なまでに嗜虐的で滑稽なまでに被虐的に見える二人の関係も、
互いの間ではそれが最も自然体であり、交わされるものは常に等価だった。
ある意味、互いが互いの最大の奉仕者だと言っても過言ではなかった。

「…もう少し妬くかと思ってたのに」
「え?」
「さっきの、伯母の見合いの話。可愛くないぞ」

急に思ってもみない方向から話を投げられて、益田はハッと顔を上げた。



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職業:
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趣味:
電車で読書。
自己紹介:
益田は正義だと信じてやみません。若者とオッサンを幸せにする為に奮闘する日々。
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