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薔薇十字団に愛を注ぎ込むブログです。
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★この榎益エロは、当サイトの益田を「ウブエロ可愛い」と評して下さった
某益田師のMさまのコメントに端を発して書かせて頂きました。
榎益のラブエロは書いていてとても楽しかったです><;
ここまでお付き合い頂いた皆さま、有り難うございました・・・!!








彼は繋がったままの僕の身体を器用にぐるりと反転させた。それによって
結合部が拡張され、僕は溺れるような息を吐いて目の前の相手の首筋に縋り付く。

「や、急にそんな…!」
「お前だけじゃないぞ」
「…え?」
「僕だって“そういう気分”の時もあるよ」
「榎木津さん…?」

彼の言葉の真意が飲めぬまま、僕は再び開始された抽挿に夢中になった。
一度叶精した身体は僅かな刺激にも酷く敏感に反応し、
正常位に変わった事によって互いの腹に挟まれる形となった
僕の性器が律動によって擦り上げられるのも堪らなかった。

「ン、ふ、はぁ…っ」
「…今日は和寅も居ないし」
「和寅…さん?」
「今夜はお前と2人きりだと思って早めに帰って来てみたら、お前が」
「あっ…」
「僕のベッドで、一人で、」
「や…恥ずかしいです、言わないで…」
「だから、ちょっと期待しちゃうじゃないか」

彼はそっと秘密を打ち明けるように僕に囁く。

「僕がそうだったみたいに、お前も僕が…欲しかったんだろう」
「榎木津さん…っ」

僕は目の前の愛しい人の背に、きつく腕を回した。
そしてそのまま首筋に顔を埋めるようにして頬を擦り寄せる。

(榎木津さんが僕を…欲しがっててくれたんだ…!嬉しい…)

「榎木津さん、榎木津さん…っ!」

僕は胸がいっぱいになって、彼の形の良い口唇に自分のそれをそっと重ね合わせた。
それからちゅ、と小さな音を立てて啄むように吸い付くと、彼は一言

「どうした、甘えたいのか?」

そう囁いて僕の顔を凝っと見つめる。僕が声に出さずにこっくりと頷くと、
彼の口元は優美な弧を描き、すんなりと僕の願いを聞き入れてくれた。

僕は嬉しくなって彼の頬と云わず鼻先と云わず口吻けの雨を降らす。
暫くは僕の好きなようにさせてくれた彼だったが、羽根のような口吻けに
夢中になっている僕の肩を軽く押すと、

「おい、それじゃ子供のお休みのキスと変わらないじゃないか」

そう言って、組み敷いた僕の耳元で一言

「キスって云うのは、こうするんだ」

そう言うと僕の口唇を自らのそれで塞ぎ、下唇をそっと噛んだ。
薄く開いた口唇から熱い舌がぬるりと侵入し、歯列をなぞられる感触と
尖らせた舌先で口蓋を擽られる快感に僕は熱に浮かされたような息を吐き、
おずおずと伸ばした舌を絡め取られてきつく吸われると目眩に似た感覚が
沸き起こってくらくらした。ぴちゃ、と濡れた音を立てて互いの舌を銀糸が繋ぐ。

「んぅ…はぁ…っ」
「分かったか?」
「は、い…」

一旦離した口唇をぺろりと舐められ、再び深く口吻けられる。
舌先を伝って送り込まれる唾液を喉を鳴らして燕下すると、微かに彼特有の
煙草の味がした。その甘い苦みが媚薬となって、再び僕の芯に熱を宿す。

「榎木津さん…もう、」
「うん。僕も達きたいよ」
「お願いです…!達って下さい、僕で…!」

その言葉を合図に彼は再び腰を使い始める。規則的に突き上げられて
ギッギッとベッドが軋むが、もうそんな事に構ってなどいられなかった。

彼の先端は的確に僕の悦い場所を突き、重ね合う身体によって擦られる
胸の飾りはツンと尖り、僕自身はとろとろと先走りを漏らしては彼の腹を濡らした。
僕の粘膜は断続的に与えられる刺激を喜び、きゅうきゅうと窄まっては
彼を締め付け、更なる快感を強請った。

「ふあぁぁっ…あっ、や、くぅ…ん」
「凄いな。お前の中、絡み付いてきて生き物みたいだ」
「んぅ…ふ、ぁん…っ」
「突く度に吸い付いて来て…凄く具合が良いよ」
「あぁッ!僕も悦ぃ、です…!気持ち、い…!」

(榎木津さんも気持ちいい顔してる…嬉しい…)

「欲しいだけあげよう。もっと貪欲に晒け出しなさい」
「はぃ…ッ!んあぁっ、そこ…悦い、もっとぉ…!榎木津さんの、熱い…ッ!」
「ふふ。お前の中も熱いよ」
「あぁ・・・ッ!好きです、榎木津さん好き・・・ッ!!」
「そうか、よしよし」
「ぁんっ!榎木津さん達って…!僕の、中で…ッ!」
「それから?どうして欲しい?」
「ふあぁっ、あ、下さぃッ!全部、中に出して、奥まで…ッ!」
「…分かった」

瞬間、彼は切なげにその美麗な眉根を寄せた。

「…マスヤマ、いくよ」
「―――ッ!!」


ぞくぞくと陶酔する程の快楽が全身を突き抜けた刹那。
どくり、と熱い液体が勢い良く最奥に注がれる感覚に僕は身震いし、
同時に僕自身も彼の腹を己の欲で白く汚した。





「うふふふ」
「榎木津さん、どうかしました?」

僕の頭の上を凝視しながら、彼はすこぶる愉快そうに笑った。

「僕、僕、僕だ。一番新しいのは今の僕。古いのは…お、箱根山の時の僕がいるぞ」
「え?」
「…いつでもお前の中は僕ばっかりだなぁ」
「それは…」
「ふふん」

彼は満足そうに笑いながら僕の髪をくしゃくしゃと掻き回す。
交わった後、お互いに気怠い身体を並べて穏やかに会話を交わすひと時が、
僕にとっては何よりも大切な時間だった。汗ばんだ腕を肩口に回しても
叱られない事に気を良くして擦り寄るように相手の胸に頬を寄せると、
彼は何かを思い出したように口角を吊り上げる。

「さっき僕が部屋を覗いた時も、お前の上には僕ばかり浮かんでたぞ」
「さっき…?…あッ!」

記憶を手繰り寄せた僕は急激に首から上が熱くなった。
甘いひと時に夢見心地で都合の悪い部分は忘れていた僕だが、
そもそも今日の交歓に至った経緯と云うかきっかけは…。

僕は恥ずかしくなって枕に顔を埋めようとするが、そんな甘えを許してくれる彼ではない。
彼はすこぶる愉快そうな顔をしながら額が触れる程の至近距離で僕に囁く。

「あれはいつ頃の僕か分からなかったなぁ。なんせ浮かぶ僕が全員ことごとく裸で…」
「わーっ!榎木津さん止めてっ!止めて下さいお願いします!!」

羞恥のあまり耳を塞いで大声を出す僕の顔は、きっと完熟したトマトのように
朱くなっているだろう。彼はそんな僕の態度など気にも留めず、僕の髪を
指先でくるくる弄びながら何か閃いたように

「その、緑色の筒」

僕の頭上を指差して一言そう言うと、彼はにんまりした。
言葉の意味が分からず、僕は一瞬呆気に取られてしまう。

「へ…?緑色?筒?」
「そうだ!その竹の筒だ!」
「竹?…あぁ!」

すっかり忘れていた。あれは僕が彼と食べようと思って買った―――

「水羊羹、ですね」
「そうだ!今日の所はそれで勘弁してやろうじゃないか」

僕が机の上に目をやると、すっかり室温と融合してぬるくなった竹筒が2つ、
汗を流してお盆の上に鎮座していた。

「あれを2つとも僕に献上したら、今回の事は口外法度にしてやろう」
「えぇー?」
「なんだ、文句があるのか」
「いえ、別に…」

水羊羹、僕も食べたかったなぁ、とか。
てか、あげなきゃ言い触らすだなんてあんまりです、とか。
言いたい事は多々あれど、どれ一つとして言葉にせぬまま飲み込んで。
それでも一つだけ彼にご忠告。

「榎木津さん、それもう生ぬるくなっちゃってますよ」

もう一度冷やさないと美味しくないですよ、と云う僕の言葉に、
彼はつまらなそうに頬を膨らませる。

「全く、お前が時間を取らせるから僕の羊羹が不味くなっちゃったじゃないか」
「な、なんですかそれ!」

水羊羹がぬるくなった原因の半分は相手にもある筈なのだが、そんな事は
口が避けても言えないので、僕は何か良い方法がないかと必死で考え、
そしてある一つの提案をした。

「そうだ!榎木津さん、今からお風呂に入りません?このままじゃ汗でべたべたして
 気持ち悪いでしょうし、榎木津さんがご入浴なさってる間に、僕が水羊羹を冷蔵庫で
 冷やしておきますから。さっぱりした身体で冷えた水羊羹を召し上がった方が
 きっと美味しいですよ。ね、そうしましょう?」
「なる程、お前にしては上出来な考えだね」
「でしょう?」

僕の提案は、どうやら彼のお気に召したらしい。僕は嬉しくなって
脱ぎ捨てられたシャツを急いで拾うと、ベッドから起き上がろうとする。

「じゃあ、早速沸かして来ますね」
「それではお前が、」
「え?」

彼は優雅な仕草でゆったりと起き上がり、僕を見据えると一言

「お前が当然、僕の背中を流すんだろうね?」

僕の左腕を掴んだ彼にそう問われ、僕は只でさえ細い目を見開いて
驚愕してしまった。だって、それはつまり―――

「なんだ、鳩が豆鉄砲みたいな顔して」
「あの、それじゃ僕も榎木津さんと一緒にお風呂に入っても良いんですか?」
「馬鹿、一緒に入らないでどうやって背中を流すって言うんだ。
 お前の腕がにょろにょろ伸びて、廊下から僕の背中を流そうと言うなら
 物凄ぉく見てみたいが、生憎お前にそんな芸当は出来ないだろ」
「はぁ、それはまぁ…」
「なら、お前はすぐに水羊羹を冷蔵庫に入れて風呂を沸かす。
 神の背中を流せるんだ、下僕としてこれ以上の名誉は無いぞ。光栄に思いなさい」
「わ、分かりました!」

僕は慌ててベッドから降りる。相変わらず遠回しな言い方だが、早い話が要は一緒に…

(2人で一緒にお風呂に入ろうって事じゃないか!)

「あ、マスヤマ。ちゃんと泡風呂にしてね」
「はいっ!」

僕は高鳴る胸の鼓動が相手に聞こえぬようにわざと
大きな声で返事をすると、勇んで寝室から飛び出した。


両手に抱えた2つの切り札は、どうやら僕が思っていた以上に効果絶大らしい。



(了)
 

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益田は正義だと信じてやみません。若者とオッサンを幸せにする為に奮闘する日々。
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