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薔薇十字団に愛を注ぎ込むブログです。
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これにて完結です。エロのみの話を書くのは初めてでしたが
複数の方々にご好評頂けて感謝です><;
 
この2人は何だかんだ言ってお互いSとMなので
心身共に相性はとても良いと思っています。
 
ここまでお付き合いして頂きまして、本当に有り難うございました!!





「榎木津さん…!榎木津さんッ!榎木津さん…!!」
「バカ…!そんな急に、動くやつが、あるか…ッ!」

榎木津は少し苦しそうに眉根を寄せるが、熱に支配された益田の耳に、
その声は届かない。ベッドのギシギシ軋む音とお互いの息遣い、
それから互いの肉体がぶつかる音だけが響き渡る。

「はぁッ…あっ!ぁあ…!!」
「榎木津さん…綺麗、凄く綺麗…!もっと見せて、全部。全部僕に見せて…!」
「はぁッ!マスヤマぁ…!!」
「あぁ・・・!榎木津さんの中、熱い…!」

刹那、益田の肩がぶるりと震える。もう限界なのだろう。

「あんッ!も、ダメ、達く、イっちゃう、榎木津さぁん…!!」
「いいよ、達きなさい、マスヤマ…!」
「あぁぁッ!!」

ベッドが静かに動きを止めて、再び静寂が訪れる。
益田は榎木津の上に突っ伏したまま動かない。
長く我慢させ続けていたせいで絶頂感が強かったのだろう。
射精の解放感に陶酔しているのか、トロンとした瞳には涙が浮かんでいる。

「どうだった?初体験のご感想は」

榎木津の問い掛けに震えた唇が言葉を紡ごうとするが、
それは結局声にならず、代わりにギュッと肩を抱きしめられた。

「うふふ。言葉にならないほど気持ち良かったのかい?」
「はい…」

だろうねぇ、そう言って榎木津は未だに内部を
占領したままの益田自身をグッと締め付けた。

「だってお前、まだ全然萎えていないもの」

そう言いながら、腰を緩くグラインドさせて射精したばかりの敏感な性器を刺激してやる。

「あっ…!駄目です、そんな事したら、また…!!」
「僕もまだ達ってないし、お前もまだ達きたいだろう?
今ので要領は分かったろうし、一回中で出してるから今度は動きやすいよ。だから、」

続けなさい、と榎木津は鼓膜に直接言葉を囁いた。



益田は一瞬、何か言いたげに逡巡する。

「…あの、榎木津さん、」
「なんだ、マスヤマ」
益田は先ほど榎木津が自分にしたのと同じように、
そっと耳元に唇を寄せて「あるお願い」をした。
それを聞いた榎木津が思い出したように笑う。

「ああ、そういえば今夜はまだしていなかったね」

そう言うと益田の華奢な背に腕を回して、そっと唇を塞いでやった。
おずおずと開いた歯列から舌を差し込み、益田のそれと絡めて強く吸ってやる。
その動きに益田はうっとりしたような吐息を吐いた。

「僕のキスが好きか?」
「…はい」
「僕が好きか?」
「はい」
「宜しい。下僕は素直が一番だ」

漸く榎木津から「許しの言葉」が貰えた事に、
繋がったままの益田が安堵の表情を浮かべる。

さぁ、これからは「飴」の時間だ。



「んッ、ふぅ…あ、」
「…悦いか?マスヤマ」
「はい、すごく…あぁッ」

教えられたばかりの快楽に飲まれて、益田は腰を揺らしながら
譫言のように喘ぎ続ける。時折わざと益田の動きとタイミングをずらして
グッと下から突き上げてやれば「やぁんッ!」と悲鳴のような声で縋りついて来る。

それでも必死に榎木津の動きに付いて来ようとする姿が健気だったので、
榎木津はねだられるがままに口吻けを与えてやる。

益田の唇からは飲み込みきれない二人分の唾液が、榎木津の後蕾からは
益田が先ほど放った精液が溢れ出し、抽挿に合わせてぐちゅぐちゅと淫らな音を立てる。
その淫音に煽られて益田が更に細い腰を揺らめかせた。

榎木津は、己の内側の“悦い部分”に当たるように腰の位置を調節して
益田を奥へ奥へと誘い込む。それから益田の手を取り、自分の中心で
高ぶっている榎木津自身を握らせ、「自分がいつもされてるように動かせ」と命じた。
益田はコクンと頷くと腰の律動に合わせて上下に擦り上げる。
榎木津の背に、再び快楽の波が押し寄せる。

その時、榎木津はある事に気付く。
榎木津の最奥を穿ちながら益田の細腰が時折、切なそうに震えている事を。
そして榎木津は、ある事に思い当たる。途端にニヤリと吊り上がる口角。

「僕が羨ましいかい?」
「え…?」

益田は突然の問い掛けの意図が掴めず、戸惑ったような顔で榎木津を見つめる。

「お前も“両方”欲しいだろう?」

そう言って榎木津は益田の双丘に手を掛け、
そのまま何の躊躇いもなく指を一気に根元まで差し入れた。

「あぁぁッ!!」

益田の体がビクッ!と跳ねる。

「なんだ、慣らしてないのに随分すんなり入るじゃないか。
 ・・・濡れてるぞ。ほら、こうするとよく聞こえるだろう?」

そう言って乱暴に指を突き入れるとクチュクチュと微かに湿った音が響いた。

「ダメです、だめぇ…榎木津さん…!」
「何が駄目だ、こんなに絡み付かせて。抜こうとすると締め付けて来るよ」
「あッ、あ、やぁ…」

「こんなに濡れて、いやらしいね。女の子みたいだ」
「違っ…!!」

益田は、そんな揶揄する言葉に頬を染めてかぶりを振る。

「違わないよ。お前は僕に抱かれてこんな厭らしい身体になったんだもの。
お前の身体はもう、僕無しじゃ居られないよ。だから・・・」

そう言うと榎木津はベッドに転がっていた小瓶を手に取り、中身を“ある物”に塗り付けた。

「お前の“初めて”は全て、僕のものだよマスヤマ」

刹那、
「いやぁぁぁッ!!」

益田の絶叫に近い甲高い悲鳴が寝室に響き渡る。

「あぁぁーーッ!!嫌ッ!嫌ぁぁッ!!」

益田の双眸から大粒の涙が零れ落ちる。榎木津は構わず“それ”をグイと動かした。



---益田の後蕾には、深々と乗馬鞭のグリップが突き刺さっていた。



「お前の“悦い所”は指じゃ届かない所にあるからね。こうすれば奥まで届いて良いだろう?」
「嫌ぁぁ…!!お願い!抜いて、抜いて下さい!榎木津さんッ!!」
「駄ぁ目」

そう言うと榎木津は益田の尻から突き出ている鞭の先端部分を指で挟み、
ゆらゆらと揺らした。その振動は内部に刺さったグリップ部分に伝わり、
強弱の付いたバイブレーションとして益田の性感帯を責め苛む。

「あぁぁ…ッ!ダメ、ダメです、死んじゃう…!!」
「ふふ、こうして見るとお前、尻尾が生えてるみたいだ。黒いシッポ。にゃんこみたいだね」

益田はふるふると痙攣しながら息も絶え絶えに榎木津に追い縋るが、彼は意に返さない。
榎木津は今度は体から出ている部分を握って激しくピストンさせて抽挿を繰り返したり、
内部を抉るように深く突き動かした。ぞくぞくと、尿道に痛い程の射精感が募る。

「あぁぁッ!嫌ぁっ!死ぬッ…!死んじゃうよぅ…!!」

益田はそんな責め苦に耐え切れず、とうとう泣き出してしまう。

・・・しかし彼はまだ気付いていない。

後蕾に鞭を突き立てられた瞬間、二度目の射精をしていた事を。
にも関わらず益田自身は萎えるどころか益々漲り、榎木津の内部で
破裂寸前まで張り詰めている事を。

後蕾を突き上げられ、それによって反応した前を
榎木津の内部に締め付けられ、これ以上ない程の快楽に溺れている。
しかし過ぎた快感は、経験の無い若い身体には毒でしかない。

「榎木津さん、苦しい…!!もう許して、許して下さい…!」
「じゃあ、僕にどうして欲しい?」
「僕、僕…」
「ちゃんと言わなきゃしてあげないよ」

益田は観念して震える唇を開く。これ以上の責め苦には、もう耐えられない。

「して欲しいんです…榎木津さんに。榎木津さんので、僕を…達かせて下さい」

次の瞬間、益田の後蕾から乗馬鞭がずるりと抜かれ、益田自身も
榎木津の中から引き抜かれた。代わりに乗馬鞭などとは比べ物にならない
質量が後ろに押し当てられ、そして一気に貫かれる。

「ああああッ!!」

益田が切ない悲鳴を上げて身を捩る。根元まで完全に飲み込んで、一瞬だけ呼吸が止まる。

「やっぱりお前はこっちの方が良いかな?」
「やぁんッ、悦い、悦いよぅ…!榎木津さんのが、一番気持ちいいですッ…!!」

益田は無意識の内に榎木津を喜ばせる言葉を口にする。
だから榎木津によって「ご褒美」が与えられる。
榎木津は益田の一番感じる部分だけを、狙って突く。

「やあぁんッ!ダメ、はあぁッ、んうぅ…!」
「達きそうか?」
「はぃ…!いく、達きます、達くぅ…!!」

そして次の瞬間、

「あ、あぁーーーッ!!」

長い悲鳴と共に益田が今宵何度目かの絶頂を迎えた。




益田の四肢はシーツの上で完全に弛緩している。性的に未熟な身体は、
強過ぎたオーガズムに指一本動かす事を許さず、彼から意識を奪った。

榎木津は益田の中からずるりと自身を引き抜くと、
そのまま膝立ちの姿勢で移動して益田の顔を跨いだ。

「お前は、もう僕から離れられないよ。これは、その“証”だ」

そう言って榎木津は、失神した益田の顔に向けて温かい精液のシャワーを浴びせた。

・・・白濁の液に塗れながら、心なしか益田が微笑んだ気がした。




翌日、昨夜の事など何事も無かったように書類を机上に広げて書き物をしている益田と、
やはり探偵専用の机に足を乗せて眠っている榎木津の姿があった。

いつもと変わらぬ探偵社の光景である。

ただ一つ、いつもと変わっている点があるとすれば、普段なら益田のベルトに
差してある乗馬鞭が榎木津のベルトに差してあると云う点のみである。

だが、それには大きな意味が込められている事を二人だけが知っている。


益田は榎木津に気付かれぬようにチラチラと乗馬鞭を盗み見る。
新たな快楽を教え込まれた身体には夜までの時間は長過ぎて、
いつも通りのポーカーフェイスで隠し通せる自信が無いーーー。


・・・榎木津は、益田が自分の方に時折視線を投げて寄越している事など
百も承知で狸寝入りを決め込んでいる。
ポーカーフェイスを気取った所で頭上には彼の思考が全て“視えて”いる。

(さて、今夜はお前に何を教え込んで遊ぼうか---。)


完璧なる主従。これを快感と呼ばずして何と呼ぼう。


(了)
 

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