とうとう書いてしまいました。榎益エロ。エロ120%です!!
無駄に長くなってしまいましたが、愛だけは詰まってます。
R-18ですので、苦手な方はお避け下さい。
今回のテーマは「愛のあるSM」です。全5話。
私信:F河さん、大変お待たせしました><;
稚文ですが、お気に召して頂ければ幸いです!!
ではでは・・・↓↓
神様に逆らえる筈なんかないって、最初から分かってはいるけれど。
【 Vanilla Sex 】
「いい加減に観念しろ、このバカオロカ!」
「無理ですっ!榎木津さん、本当にそれだけは勘弁して下さい…!!」
「往生際が悪いぞ!!何がそんなに不満なんだ!この僕が!わざわざ!下僕のお前に、」
「だから!それが問題なんですよう!」
薔薇十字探偵社の寝室に神の怒鳴り声が響きわたる。
窓硝子をビリビリ震わせる勢いで、榎木津は全身から不機嫌オーラ全開である。
いつもの益田なら、そんな彼の怒りに触れようものならすぐに尻尾を丸めて腹を出し
「服従のポーズ」をとる所だが、今夜の益田は強情だった。
なかなか首を縦に振らない下僕の反抗的な態度に榎木津が業を煮やし、
取っ組み合って上になり下になりの攻防に発展して今に至る。
◆
時は遡る事、30分前。益田は榎木津によってベッドに縫い止められていた。
華奢な肌に爪を立てられビクリと震える様は、
さながら優美な雄ヒョウに身を捧げる草食動物のようだ。
耳朶にねっとりと舌を這わされると薄い肩が跳ねる。
「やぁっ…あ…榎木津さん、」
産毛の感触を楽しむように、耳の穴の奥まで尖らせた舌先を差し込む。
わざとクチュクチュと音を立てて鼓膜を犯してやれば、切ない息を吐いて
益田の細い指先がシーツの上を泳いだ。
「んうぅ…やっ、やぁ…」
「耳だけでこんなにクタクタになって。お前は本当にここが弱いな」
榎木津はクスクス笑いながらフゥーッ、と濡れた耳朶に息を吹きかけた。
「ひゃあんッ!」
途端、悲鳴と共にビクン!と戦慄いて追い縋るような視線を向ける。
ベッドの上の益田はまるで陸に打ち上げられた魚だ。
榎木津の一挙手一投足に面白いほどの反応を返す。
それが愉快で榎木津は色々な罠を仕掛けずには居られない。
「このままだとお前、耳だけで達けるんじゃないか?はしたないからなぁ、マスヤマは」
「そんなっ…違います、僕は…」
「今夜はもう、ここしか触ってあげないよ」
「そんなぁ…」
泣きそうな顔をする益田に、榎木津は己の征服欲が満たされるのを強く感じる。
自分の言葉に一喜一憂する益田。彼の欲しい物は自分しか持っていない。
そしてそれを与えるのも取り上げるのもお預けを食らわせるのも、全て自分次第だ。
完璧な主従関係である。
「不満か?なら、どうしたいのか言ってみなさい」
「ッ…!!」
益田がそんな事を口に出せない事など百も承知でわざと意地悪をしてやる。
そうする事で益田は今、自分がどうして欲しいのかを明確に自覚してしまう。
それを思い浮かべて、その思考を榎木津に「視られる」という羞恥に身悶えてしまう。
「それは…」
勿論、小心な益田にそんな大胆な事が口に出せる筈もない事は分かりきっている。
榎木津はただ、益田の恥ずかしがって泣きそうな顔が見たいだけだ。
羞恥から桜色に染まる震える細躯を見下ろして、支配者として君臨したいのだ。
何の恥じらいもなく「榎木津さんの×××を僕に×××して下さい」などと言われたら
却って萎えるだけだ。榎木津は、媚びた「娼婦の色気」よりも慎み深い「尼僧の色気」に
そそられるタイプなのである。すぐに鳴くホトトギスなど、愛でる気も起きない。
「どうした。何も要らないのかい?
・・・なら、もう今夜は終わりだ。このまま眠ってしまいなさい。」
「榎木津さんッ!」
こんなに焚き付けられた身体で、そんな事が出来る筈がない。
分かっていて、わざとそうしてやる。
さて、今宵お前はどんな芸をする。
「榎木津さん、お願いです…榎木津さん…」
おずおずと膝を立てて、益田は恐る恐る足を少し、ほんの少しだけ開いてみせる。
「分かって欲しい」と顔に書いてある。たったこれだけの動作でも、彼にとっては
羞恥心で身を焼かれるような思いだろう。少年と青年の境目のような、
発育の良くない華奢な身体を朱に染めて、震える手で膝に手を当て、そろりそろりと
開かれた中心は、もう反り返らんばかりに若い欲望が漲っている。
もう限界だろう。これ以上苛めて本当に泣かれでもしたら面倒だ。
従順な態度に免じて、今回はこれで勘弁してやろう。躾は飴と鞭が基本なのだ。
今夜の榎木津は気分が良かったから、特別に甘い飴を与えてやろうと思った。
益田の膝をグイと割って、唾液をたっぷり滲ませた舌で中心を舐め上げようとした、
まさにその時。
「駄目ですッ!榎木津さん!それだけは…!!」
突然、バネ仕掛けの人形のように飛び起きた益田によって、それは
阻止されてしまう。そこから一転「やらせろ」「駄目です」の不毛な
言い合いが始まって、冒頭の騒ぎに発展するのである。
さて、軍配はどちらに上がるのか。
(2へ)
PR