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薔薇十字団に愛を注ぎ込むブログです。
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前半はただヤッてるだけでしたが、後半も引き続き裸祭りです。
まっぱだカーニバル!!漫画だったら肌色率が99%です。

私の中で榎益の益田は子猫ちゃんですが、郷青の青木はバンビーナです。
ヌードになったらエンジェルの羽根がバレるぜバンビーナ!!

レッツゴー!な方は下からお入り下さい。






情事の後はすぐには風呂に入らず、布団に体を横たえたまま、まったりした時間を
過ごすのが二人の通例だった。抱き合ったまま気まぐれに舌を絡めて口吻けたり、
お互いの性器に手を這わせたり、青木の後腔から郷嶋の放った欲を指で掻き出して
やったり。そうこうしている内にお互いまた乗り気になって、二度目に突入する事も
珍しくなかった。今もお互いの顔を跨ぐ格好で、互いの雄芯に舌を這わせている。

このままの流れで二回戦に突入せんとした、まさにその時。

「痛っ!」
自分の下腹部に顔を埋めた青木が小さく叫んだ。

「どうした坊や」
「ちょっ、当たってる当たってる!」そう言って青木は身を捩った。
「だから、何が」・・・郷嶋は歯など立てていない筈だが。

「髭だよ髭!顎髭が当たってるんだってば!」
そう言って青木は自分の手で自身をガードした。
確かに下から上に舐め上げた時に当たっていたかも知れない。

「ああ、悪ぃな」
「・・・てか、これが初めてじゃないし」

そう言って青木はガバッと身を起こした。
「いちいち言わなかったけどね、後ろから挿れた時に首筋に顔埋めてくる時とか、乳首舐めて
来る時とか今みたいな時とか、郡治の髭がジョリジョリ当たってこっちは痛いんだよ!」
そう一気に捲くし立て、そして青木は静かに一言「・・・剃ってくれない?」と言った。



郷嶋は現在、風呂桶の縁に座らされている。郷嶋の家で抱き合う時は、青木の下宿と
違って部屋に風呂が付いているので事が終わった後に直行出来て大変便利である。

青木は現在、掌の上で石鹸を泡立てている。あれから青木が
「思い立ったら即実行。僕が剃ってあげる」と言い出し、
男二人で狭い風呂場に入って現在に至ると云う訳である。

浴室に入った当初、青木は「髪と体も洗ってあげようか」などと言っていたが、
大人二人で洗い場に居たのでは狭くて仕方ない。
不満そうな青木を満タンに湯を張った風呂に放り込み、順番に体を洗った。

「髭剃るの、こんなにアッサリ了承されると思ってなかった」
「何を今更」

別に顎の髭は特別な拘りで伸ばしている訳ではなかった。
己のトレードマークと言えば寧ろ眼鏡だと思っていたし、剃った所で
何の支障もない。恋人が無い方が良いと言うなら郷嶋はそれで一向に構わなかった。

「顔は切るなよ」
「大丈夫だよー。僕だって男なんだから、髭くらい綺麗に剃れるよ」

青木はそう言うが、郷嶋は青木に不精髭が生えている所など見た事がない。
もともと体毛が薄い質なのかも知れない。大磯で初めて会った時も、何日も帰れず
ろくに風呂にも入れぬ現場だったにも関わらず、そんなに汗みずくで汚れているような
印象は受けなかった。・・・一重に青木自身の清潔な雰囲気によるものかも知れないが。
青木が顎に剃刀を当てている間、郷嶋は目を閉じてつらつらとそんな事を考えていた。

二人きりで居る時は割と言いたい放題やりたい放題の癖に、本庁の廊下などで
擦れ違う時などは「お早うございます、郷嶋刑事」などと爽やかな優等生然とした態度で
折り目正しく頭を下げるものだから、周りの青木に対する評判はすこぶる良い。

何が「お早うございます」だ、つい2時間前まで俺の体の下で散々喘いでいた癖に。
周囲に関係を悟られぬように時間差で出勤した郷嶋は、石鹸の香りでもしそうな爽やかな
笑顔の青木を見る度におかしくて吹き出したくなる。この優等生が俺の股関に顔を埋め、
爽やかな微笑みをたたえるその唇で自分の性器を咥え込み、捜査会議で理路整然と
意見を述べるその口で卑猥な単語を叫び、悶え喘ぎながら腰を振って射精するのだ。

青木の昼の顔しか知らない連中の彼に対する賛辞を聞く度に郷嶋はこの頃、
得も言われぬ優越感を感じる。こいつの全てを知っているのはこの俺だけなのだと。
・・・青木と付き合うようになってから、郷嶋は己の独占欲の強さを実感していた。

「はい、終わったよ、郡治」
青木が泡の付いた手を濯ぎながら湯で満たした手桶を渡して来る。
手で湯を掬って顔を洗うと、久々に感じる顎のつるりとした感触が何だか新鮮だった。

「流血沙汰にしなかっただけ上出来だな」と憎まれ口を利いてやると、
普段なら反論して噛みついてくる筈の青木が神妙な顔で郷嶋を見つめていた。

「・・・なんだよ、俺の顔に何か付いてるか?」
「・・・か、」

蚊?と思った次の瞬間、

「なんか格好いいよ郡治!!髭ない方が断然いいって!!」と青木は叫んだ。

鏡見て鏡、ほらほら!とあんまり言うものだから、洗い場の湯気で曇った鏡を
手で擦って郷嶋は覗き込む。確かに髭のない己の顔は久々に見た気がする。
おまけに今は眼鏡を外し、最近伸びて来た前髪は濡れて額に貼り付いている。
そして髭のない顎。なんだか全体的に若くなったような印象だ。
そして手放しで褒められれば、郷嶋とて悪い気はしない。

「こっちの方が絶対いいよ!少なくとも前みたいに近寄り難い感じじゃないし」そう言いながら
「寧ろちょっと可愛いよ。なんか若く見えるしさ。今なら頑張れば20代に見えるよ」と笑って、
頑張らなくても10代後半にしか見えない青木は、30代も後半に差し掛かった郷嶋の頭を
可愛い可愛い、髭のない郡治は可愛いなぁと言いながらグシャグシャ撫でた。

地が出てきたのか、青木は最近、こういった郷嶋を年上とも思わぬ態度をよく取る。
付き合い始めた最初の頃など敬語を使うなと言ってもなかなか抜けなかった癖に、
近頃は「郷嶋さん」とも呼ばなくなって、専ら「郡治」と呼び捨てだ。
親しい友人の事も下の名前では呼ばないと言う青木にとって、
自分は「青木の中の特別な存在」だと喜ぶべきなのだろうが、
四捨五入すれば40にもなる男を捕まえて可愛いも何も無いものである。

いい加減、頭を掻き回している手を止めようと郷嶋が顔を上げると、
「でも心配だなぁ」と青木が呟いた。何がだよ、と郷嶋が問い掛ける前に
「これで郡治が酒場とかで急にモテ出したら困るなぁ。そしたら今度は
浮気が心配だよねぇ」と勝手な事を言って頭をひねり出した。

「・・・俺が浮気性だって言いてぇのか坊や。なに勝手な事を」「あのさぁ、郡治」
青木と付き合って分かった事は、こいつは割りと
人の話を最後まで聞かず、おまけに天然だと云う事だ。

「もし浮気したら、罰として下の毛を全部剃るってのはどう?」

そう言って青木は再び剃刀を手に取った。どう?も何もない。
これではまるで郷嶋が浮気する事が確定しているようではないか。

「あ、でも伸び始めがチクチクしそうで嫌だなぁ。それにみっともなくて
一緒に銭湯にも行けないよねぇ。大体“事後”ってのが頂けないよ。あ、じゃあ
いっそ恥ずかしくて人前じゃズボンが脱げないような変な下着履けば良いかな?」

子供みたいにマジックで名前書くとか、赤い褌とかさー、そう言ってケラケラ笑う青木に
「・・・俺が浮気するの確定で話進めるの、止めてくれねぇか」
止めなければいつまでも浮気防止策をひねり出しそうな青木に、
半ばげんなりしながら郷嶋は呟いた。この程度の事でいちいち腹を立てていたら、
青木文蔵とは付き合えない事は既に学習済みの郷嶋である。

なので意趣返しのつもりでこう言ってやる。

「お前はどうなんだ、坊や」
え、何が?ときょとんとした顔で青木が手を止めた。
「さっきから聞いてりゃ俺ばっかり浮気するような
   口振りだけどな、そういうお前はどうなんだよ」
「僕が浮気ー?そんなのする訳ないじゃん」

やけにきっぱり言い切った青木に、郷嶋は少し気分が良くなったが、
それは敢えて顔には出さずに尚も続ける。

「どうだかなぁ。例えば、お前の相棒の男とか」
「木下?ある訳ないじゃない。木下の裸なんて見たくないよ」
・・・酷い言われようだな。友達だと言ってた癖に。
「じゃあ、あの大磯で一緒だった髪の長い坊主とか」
「髪の長い坊主って、言葉が矛盾してるよ郡治。
ーーーそれに益田くんは榎木津さんにしか興味ないよ」
・・・榎木津って、あのお人形みたいな顔の男か。
「じゃあいつもお前が飲みに行く雑誌記者の男は」
「鳥口くん?無い無い!彼は中禅寺さんの妹の敦子さんの事が好きなんだよ」
・・・そう言えばあいつ、妹いるって言ってたな。てかお前、口が軽いよ。
友達だったらそう言うプライベートな事は黙っててやれよな。

「じゃあ・・・お前の大好きな下駄刑事は」
「・・・!!」

一瞬、浴室に沈黙が流れる。(ああ、これはまだ地雷だったか)
郷嶋はあの不良刑事の名前を出した事を少し後悔した。

「そんなの・・・ある訳ないじゃない」

幾分、勢いの削がれた口調で青木は答える。
青木が木場に密かに恋慕し、そしてその想いが成就しなかった事は郷嶋も知っていた。

そもそも自分達の出会いは、青木が伊豆で起きた奇妙な事件の際にあの男を
追い掛けて管轄外に飛び出し、懲罰会議で小松川に飛ばされたのがきっかけである。
その点に関してだけ言えば、郷嶋にとって木場様々と言えなくもないのだが。

軽口を飛ばすじゃれ合いから一転、重い空気になってしまった浴室で、
郷嶋は小さく溜め息を吐いた。青木の顔を見上げるようにして言ってやる。
「悪かったよ坊や」
「・・・ううん、元はと言えば言い出したのは僕の方だし」

しゅんとした青木の顔に多少の罪悪感を覚えなくもなかったが、
郷嶋はこんな空気を脱却する術もちゃんと心得ていた。

「こっち向け、文蔵」
え?と言ったか言わないかの内に郷嶋は青木の腕を掴んでグイと引き寄せる
そしてその身をきつく抱き締め、その口唇に噛み付くように強引に口吻けた。

舌で口腔を掻き回し、唾液ごと青木の舌を強く吸い上げる。
そのまま互いの息が切れるまで貪り合う。

「はぁっ・・・郡、治・・・」
口唇を離すと、呼吸の乱れた青木が酸素を求めてぷはっと息を吐いた。
その背に腕をきつく回したまま、郷嶋は耳元で囁いてやる。

「お前には俺が居るだろうが」
「郡治、」
「それに、俺にはお前だけだ。だからそんな余計な心配はしなくていい。分かったな」

こくん、と一つ頷いて、
「うん。・・・ごめん。郡治の事、ちゃんと信じてるから」そう言った青木に対して
「俺もだ。愛しているよ」と、普段は滅多に言わない言葉を口にしてやる。

欧米人のように普段から好きだの愛してるだのと連発しない慎み深い
東洋人だからこそ、たまに囁くこの手の言葉はひどく相手の琴線に触れるのだ。
これが年上の恋人としての腕の見せ所、まさに亀の甲より年の功である。

ようやく互いの空気が元に戻った所で腕の中から解放してやると
「あのね郡治、」と言いながら青木が郷嶋の足元に恭しく跪いた。

たまには可愛らしい態度を取るものだ。さては決める時は決める男らしい俺に惚れ直したな?
そう思って郷嶋が「なんだい、坊や」と優しく問い掛けてやると、
それまでしおらしかった青木の態度が一変し、まるで電光石火の如き速さでもって
片手で郷嶋自身を掴み上げ、もう片方の手で先程の剃刀を持つと満面の笑みでこう言った。

「でも今度、僕の事“お嬢ちゃん”て呼んだら郡治のここ、根元から切り落とすからね」
ニッコリと笑ったまま、ひたりと刃を当てる振りをする青木に郷嶋は戦慄する。
(こいつ、目が笑ってない・・・!!)

どうやら、先ほどのあの発言は青木の耳にしっかり届いていたらしい。

「郡治、返事は?」
「・・・調子に乗ってすいませんでした」

分かってくれればそれで良いの。僕も愛してるよ、郡治。
そう言って郷嶋の唇にちゅっと口吻けた青木を見上げながら郷嶋は、
全てのイニシアチブを握っているのは青木なのだと云う事を漸く悟るのだった。



・・・まぁ、敷かれるのが青木の尻なら郷嶋自身もあながち満更でもないのだが。


(終)
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