薔薇十字団に愛を注ぎ込むブログです。
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◆ 「さ、サービスって…」 魅惑の単語に俺はドキドキした。これ以上、何をしてくれるおつもりですか、先輩。 「一馬の顔、“まだしたい”って書いてあるよ。今のじゃ全然足りないんでしょ?」 青木さんが放ったばかりの俺のモノをツゥーっとなぞる。その刺激に 俺の腰はビクッと揺れてしまう。正直言って、俺みたいな若造があれだけ 濃厚な絡みを見せつけられたら、一回の解放なんかじゃ全然足りないんだ。 青木さんはそれを察して、再びゆるゆると手を動かし始める。 その刺激に反応して、すぐさま半勃ちになった俺を見て、青木さんは 感心したように「若いねぇ」と言った。いやいや、青木さんこそ。 「ねぇ、まだ出来そう?したい?」 「め、目茶苦茶したいッス…」 「じゃあ、しちゃおうか」 悪戯を思いついた子供みたいな目で、青木さんが俺の首に腕を回した。 そして俺の膝の上に片足を乗り上げて、 「ここになら、一馬の出していいよ」 と言って俺の先端に自分の後腔をあてがって見せた。 まさかの展開に俺の心拍数と血圧は一気に跳ね上がる。 「あ、青木さんッ?!いいんですか、そんな…」 「だって顔に書いてあるよ?“青木さんとヤりたい”って。 ここ、こんなに堅くなってるし・・・違うの?」 「違わないッスけど…」 「じゃあ良いじゃない。しよ?一馬の、全部受け止めてあげるよ」 濡れてるから挿れやすいよ、と言って指で双丘を割ってみせた青木さんの太腿には、 郷嶋の放った精液が一筋溢れて伝って来ていて、それを見た俺は酷く興奮した。 (俺、今からこの人の事、抱くんだ…) なんていう展開だろう。めちゃくちゃ幸せ過ぎて言葉も出ない。 20代前半の運を全て使ってしまったような感じすらするが、正直それでもいいやと 俺は思った。青木さんが抱けるなら、向こう3年不幸続きでも構わない。 それくらい、目の前の青木さんは素敵だった。 俺の頬を両手で包んで微笑む青木さんは、天使のように愛らしく、女神のように美しかった。 「一馬、いくよ…」 そう言って青木さんは、今にもはち切れそうな俺の怒張を固定すると己の後腔に充て、 そのままゆっくりと腰を落とす。俺はそのままめくるめく快楽に溺れ、そして――― ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!! 俺はそこで目を開けた。眼前には見慣れた木目の天井、 煙草のヤニで茶色くくすんだ壁、同じくくすんだカーテン。 俺は椅子になんて座っておらず、勿論縛られてもいなかった。 俺はただ、自宅の煎餅布団の上で仰向けになって寝ており、 目覚まし時計が朝の到来をやかましく告げていたのだった。 俺は慌てて視線だけで辺りを見渡す。 しかし、いくら見渡した所で、ここはどこからどう見ても俺の部屋だった。 何者かに監禁されてた状況も、今までの矯態も、全て――― 「ゆ、」 俺は最高に情けない声で呟いた。 「夢かよォ…」 ◆ 俺は何故か、背中に自分の腕を敷くと云う謎の姿勢で寝ており(そりゃ動かない筈だ)、 足は立ち膝のままぱっかりと開いて阿呆のように茫然としていたのだった。 寝起きの働かない頭では、今まで見ていた桃源郷と現実の差が埋められない。 当たり前だが青木さんも郷嶋も、この部屋には居る筈もない。 俺は急にバカバカしくなって一人で腹を抱えて笑ってしまった。 「なんつー夢見てるんだ、俺は!!最高にバカだろ!!」 そう言ってゴロゴロと寝返りを打った途端、自分の下半身の違和感に気付いて 俺は恐る恐る寝巻きの裾から手を入れた。 ・・・俺は、23にもなって思いっきり夢精していた。 男は夢精で出すのが一番気持ち良いらしいけど、今まで見ていた淫夢は一体…。 郷嶋のオッサンと青木さんと。青木さんと俺が。 「いやいやいやいや!有り得ねぇだろ!」 綺麗なお姉さんとどうのこうのって夢なら兎も角、どういう思考回路でいたらあの2人が 恋人同士で、その上その2人のの絡み合いの夢なんて見るんだよ!! あの真面目な青木さんがあんな“ふしだら”な訳ないだろ!! 頭おかしいんじゃねえの、俺!!しっかりしろよ一馬!! とりあえず、俺が今一番しなければいけない事は、 「パンツ洗わなきゃ…」 もう、情けなくて死にたいッ!! 俺は、死ぬほど虚しい気持ちのまま立ち上がろうと布団に手を付いて、 そして体の下に長時間敷かれて痺れた腕は俺の体重を支えられる筈もなく、 盛大に後ろにひっくり返って畳で頭を打った。 「痛ぇよ…ふざけんなよ…俺が何したって言うんだ…」 漫画だったら頭の周りをピヨピヨとヒヨコが飛んでる感じの俺は、 後頭部をさすりながら今しがたまで見ていた夢をつらつらと反復していた。 夢の中の青木さんは最高に淫らで可愛かった。 郷嶋に貫かれて鳴いていた青木さん。 俺のを弄びながら笑っていた青木さん。 青木さんの内股に滴っていた白濁。 (一馬のここ、もうこんなになってるよ) (手と口、どっちが良いの?) (こんなに反ってる。若いね) (ここに一馬の、全部出していいよ) (ねぇ、しよ?) (あぁんっ!もうダメ、イッちゃうよぉ…!!) 「ヤバい…」 俺の下半身はいつの間にかパンパンに張り詰めていて、 俺は我慢出来ずに寝巻きとドロドロに濡れた下着を下ろして、 そこを今度こそ自由になった右手で握り込んだ。 「青木さん、青木さん…」 青木さんの甲高い矯声が。恍惚とした表情が。 「あぁ…青木さん、」 彼の白い肢体が。汗に光る肌が。 「可愛い、青木さん…!!」 唾液で光る唇が。飛び散った白濁が。 「あぁぁ…!青木さんッ!!」 ビクン! 「ハァ…青木、さん、」 一度ならず二度までも(一度目は不可抗力だけど)オカズにしてゴメンなさい。 これからは青木さんの家の方角に足向けて寝れないや。 まぁ、そもそも青木さんがどこに住んでるのか知らないけどさ。 俺は己の精液で濡れた右手を見つめながら、ちょっとだけ泣きたくなった。 エロ悲しい気分、再び。 あの優等生で清潔で爽やかな先輩を頭の中で汚してしまった罪悪感と、 ほんの少しの切なさ。これって… 「自分の見た夢のせいで、その人を好きになるのってアリかな…」 とりあえず当面、青木さんの事を仕事中に考えないようにしなくては、と自戒した。 でないと本当に“斉藤は書類を書くと興奮する変態”のレッテルを貼られるだろう。 そして今度こそしなくてはいけない事、それは、 「パンツ洗おう…」 嗚呼、男はツラいよ。 ◆ 「でね、郡治。その時斉藤くんがね、」 「斉藤って誰だよ」 「もう、忘れたの?大磯で僕と一緒に旅館に居た子だよ。郡治が僕達に意地悪した時!」 「人聞きが悪ぃな。誰も意地悪なんかしてねぇよ。情報貰いに行っただけだろ」 「あの時の郡治、最っっ高に感じ悪かったよ。何こいつー!って思ったもん」 「うるせぇよ。その感じの悪い野郎の家にいつの間にか転がり込んで、 寝食共にしてるお前は何なんだよ。・・・まぁいいや。 で、あの時のケツの青いガキがどうしたって?」 「もう!そういう言い方しないの。斉藤くんだって新米なりに頑張ってるんだから」 「よそのガキの頑張りなんかどうだっていいんだよ。で?」 「僕と郡治がエッチしてたらね、そこの椅子に斉藤くんが グルグルに縛られてるの!猿ぐつわまでされてさぁ。 可哀相だから終わった後に僕が解いてあげたんだよ。変な夢だよねー。」 「・・・」 「でさ、猿ぐつわ外してあげた時の第一声が何だったと思う? “この状況は一体何なんですか?!”だって! そりゃこっちが聞きたいよ…って、郡治?聞いてる?」 「お前にそんな性癖があるとはねぇ」 「え、ちょっと何言ってるの、って、わぁ!」 郷嶋は青木の体を組み敷くと、マウントポジションで押さえつけた。 「そんなに見られながらするのが好きなら、お望み通り、今度外でヤッてやるよ」 「ちょっと郡治、何言ってるの?!重いよ、離して!」 「で?お前はそのガキのテントを畳む手伝いまでしてやったってのか?どうなんだよ」 「…郡治。オヤジ臭いよ、その言い方」 「図星かよ。しょうがねえ尻軽だな」 「何その言い方!ムカつく!」 「黙れよ。で、お前は堂々と浮気のご報告って訳か。いい度胸だな」 「浮気って?!ちょっ、何言ってるの郡治!?」 「…お仕置きだ。当然、覚悟は出来てるんだろうな」 「ちょ、ちょっと待ってよ!夢もカウントに入る訳?!」 「当たり前だろ。往生際が悪いぜ。ジタバタするんじゃねえ」 「やーだー!!離してー!!」 郷嶋は青木の抵抗など物ともしない。 暴れる青木の腕を頭上で一纏めにして、耳元でこう囁いた。 「…なぁ、知ってるか?夢ってのはそいつの内に秘めた願望なんだぜ」 (了) PR |
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益田は正義だと信じてやみません。若者とオッサンを幸せにする為に奮闘する日々。
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